愛知県岡崎市にあるマイクロホテル〈Okazaki Micro Hotel ANGLE( @microhotel.angle )〉のマップが完成しました🎊〈ANGLE〉から徒歩圏内の東岡崎・康生地区のマップをメインに、散歩が楽しくなるおすすめスポット紹介『ケイサンポ』『街のみんなが集う場所』や、〈ANGLE〉スタッフが街の少し先の景色について考えた読み物『10年後の岡崎』など、盛りだくさんな内容となっています。

〈ANGLE〉は4年前に市内最初のカメラ屋を改装してオープンした、個室6部屋のマイクロホテルです。〈ANGLE〉では、“暮らし感光”といって、従来の物見雄山的な観光から、この地域の日々の暮らしを五感で感じられるような新しい観光のかたちを目指していて、街のお店を取材したり、ゲストにこの街の暮らしを案内したり、街の編集室として日々活動を行っています。今回このマップを制作するにあたり、実際に私も岡崎の“暮らし感光”を体感するために、1週間ほど〈ANGLE〉に滞在させていただいたのですが、これが本当に楽しかった!

岡崎の朝は、100回のスクワットからはじまる。毎朝、街のみんなが公園に集いラジオ体操とスクワットをこなし(※スクワットは平日限定)、2と7がつく日は『二七(ふな)市』という戦後から続く朝市が開催され、新鮮な野菜や魚、乾物を売る露店が道沿いに並ぶ。二七市の会場の隅っこのほうでベンチ並べて営業する屋台〈串カツかぶちゃん〉では、おじちゃんたちが集まって朝から美味しそうにビールを飲みながら「最近調子どうよ」と各々の健康状態をチェックし合っている。そこから少し歩けば、開放的で清潔な図書館があって、学生たちが自習コーナーで勉強に励んでいる。まちのまんなかには、ウッドデッキの緑道が走っていて、その両脇にはクラフトビール屋さんや、地場の新鮮な食材をつかったジェラート屋さんが点在している。道草食いながら緑道を進んでいくと、まちのシンボルである乙川の河川敷に辿り着く。広々とした河原ではまちの人々が夕涼みしたり、ランニングしたり、思い思いに水辺のひとときを過ごしている。

岡崎市は名古屋まで、電車で約30分ほどのところにあり、人口は約39万人ほど。都心でもなく田舎でもない、ちょうどいいサイズ感。公共空間のリニューアルやリノベーションまちづくり事業に近頃力を入れて行われているそうで、公園や図書館などの公共エリアがとにかく居心地がよかった。平日の昼間にフラッと外でビール飲んでても不自然じゃない街って、そんなに多くないと思うんです。人が多すぎず、少なすぎず、いい感じのグリーンとベンチがあって、気軽にちゃんとおいしいものが調達できる。そんなわがままが叶ってしまうまちなんです。

岡崎滞在中、乙川のミカちゃんたち(鯉)を眺めながら、〈ANGLE〉が唱える“暮らし感光”って一体なんだろうかと自分なりに考えてみました。スクワットして、朝市いって、図書館行って、川でチルして、暮らし楽しい!最高!でも、これでは“暮らし観光”どまりだよな。
岡崎滞在中、〈ANGLE〉大学生スタッフの涼花ちゃん( @__szka)と話しているなかで、「実は以前にこんな文章を書いたんですよ」と、別の企画でのプレゼン用につくったという原稿を見せてくれました。生まれも育ちも岡崎である涼花ちゃんが、将来この街でおくりたい暮らしの景色を想像して綴ったもので、文章の随所に、涼花ちゃんが思う“岡崎の日常”が散りばめられています(このマップ『10年後の岡崎』コーナーで全文掲載しています)。

この文章を読んで、もしかすると“暮らし感光”の視点は、岡崎に訪れる人よりも、この街に住んでいる人たちにこそとても大切なものなのではないかと思いました。どんな街で、どんな暮らしがしたいのか。どのお店で買い物をするのか。何かと忙しい日々のなかで、自分たちが住む街に対して能動的に考える時間はなかなかとりにくいかもしれないけど、でも確実に街の日常は街の人たちによってつくれている。
このマップが、岡崎を訪れた人がこの街の“暮らし観光”を楽しむためのツールになることはもちろん、岡崎に住む人にとって、“暮らし感光”の視点でこの街について考えるきっかけのひとつになることができれば、とてもうれしいです。

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